浮動株 floating stock 2005 3 30

 3月26日の日本経済新聞には、このような記事があります。
「浮動株ベースに新指数」、「新指数『日経JAPAN1000』、来月から公表」、
「持ち合い株など、実際には市場で売買されない長期保有分を除いた株を、浮動株とし、
それをベースにした指数。」とあります。
 ここで、なぜ、浮動株が重要なのか、考えてみましょう。
実は、発行した株が、全部、株式市場で流通しているとは限らないのです。
 たとえば、ある会社(AB社)が、株を、100万株発行したとします。
このAB社の親会社であるA社が、AB社の株を50万株所有していたとします。
次に、AB社と親密な関係にあるC社が、AB社の株を10万株所有し、
さらに、AB社と取引関係にあるD社、E社、F社が、それぞれ5万株ずつ所有していたとします。
この時点で、実際には市場で売買されない長期保有分(固定株)は、75万株となります。
 その上、取引銀行3行が、それぞれ5万株ずつ所有していたとなると、
固定株は、どうなるでしょうか。
実際には市場で売買されない長期保有分(固定株)は、90万株となります。
 つまり、発行株数は100万株であるのに、固定株が90万株もあり、
実際に市場で売買される株は、10万株となってしまいます。
 さらに、加えるならば、AB社の固定ファンである個人投資家100人が、
合計で5万株所有していると、
市場で流通する株は、さらに少なく、5万株となってしまいます。
 ここで取り上げたケースは、わかりやすくするために、
極端な例かもしれませんが、こうした状態が、なぜ、問題なのか。
 実は、これだけ流通している株数が少ないと、
資金力のある投資家が、まとまった注文を出すと、
すぐに株価が、急騰したり、急落する可能性があるのです。
 あるいは、資金力がなくても、20名ぐらいの投資家が、グループで、
共通の目標のために、同じ投資行動をすれば、
やはり、株価が、急騰したり、急落する可能性があるのです。
 このような状態は、一般投資家にとって、不測の損害を与える可能性があり、
あるいは、場合によっては、不測の利益を与える可能性もあります。
いずれにせよ、不自然な株価形成となります。
 これは、日足チャートで見ると、どうなるか。
「窓を空けて上昇」や「窓を空けて下落」が多くなります。
 この「窓を空ける日足」は、株価の動きが強いとされますが、
1回や2回ならばともかく、
しょっちゅう、窓を空ける銘柄は、投資しにくい銘柄と言えます。
 このように、浮動株が少ないと、いろいろと問題が発生します。
将来的には、浮動株ベースの投資行動となっていくでしょう。































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